数字を正しく分析していない
- 5月13日
- 読了時間: 7分
おはようございます。FukushiVisionGroup株式会社の塚本です。
先日、始めたばかりのYoutubeチャンネル「地域連携マーケティングtv.」で動画を更新しました。
動画は難しいですね。微妙な仕上がりになっておりますが、「入居相談員の使命」について解説しております。
超ニッチな職種ではありますが、有料老人ホームの入居相談員として悩みを抱えている方に向けて作りました。よかったら、ご覧くださいませ。
さて、本日も「THE 地域連携力」から抜粋した内容をご紹介いたします。今回のテーマは『数字を正しく分析しない』です。
地域連携マーケティングにおいて、アクション(行動量)と結果の双方の数字はとても大切な指標となります。
地域連携活動の結果がポジティブでも、ネガティブでも、その理由を正しく分析するためのスタートでは、数字的な記録を正しくつけることが大切なのです。
さらにいえば、その記録をどのように考察して、最終的な結論を導き出すのか、それにより今後の地域戦略が変わってきます。
あらゆるものは数字に置き換えることができるため、その数字を正しく捉える必要があります。
最後までご覧ください。
無料相談で分かるコンサルタントのスキル
地域連携に課題を抱えている組織には、事業規模の大小に関わらず、共通して見られる大きな欠点があります。
結論から言えば、それは「数字に弱い」という点です。
私たちコンサルタントが経営支援として組織に介入する際には、必ず無料相談の機会を設けていますが、経営者の“数字に対する弱さ”は、この段階ではっきりと浮き彫りになります。
私たちのような、コンサルタントが介入するためには、相応の理由と明確な目的が必要ですす。その概略をヒアリングしなければ、課題の仮説設定も、具体的な提案も行うことはできません。
そのため、理由や目的が曖昧なまま進められる経営支援は、まさに絵に描いた餅であり、実効性を伴わないものになってしまいます。
だからこそ、無料相談の時点で行う「課題の想定」は、極めて重要なプロセスとなります。
この課題設定が具体的であればあるほど、コンサルタントのスキルが高いと言えるでしょう。
表面的な悩みではなく、その奥に潜む本質的な課題をどこまで言語化できるか、支援の質を大きく左右します。
数字分析と正しいプロセス
私はこの課題の仮説思考を行う際、よりリアルに組織の状況を把握するために、必ず「数字によるいくつかの問い」を、経営者や管理者に投げかけます。
感覚や印象ではなく、数字という客観的な指標を通して話を聞くことで、組織の現状が驚くほど鮮明に見えてくるからです。
課題が地域連携であれ、人材不足であれ、まず取り組むべきことは、これまでの仕事の結果と、その結果を生み出してきたプロセスを、数字として集計することです。
数字を通じて事実を整理することで、初めて課題の所在が明確になり、的確な分析と次の一手を導き出すことが可能になります。
地域連携における重要な指標は、活動数から始まり、最終的には契約数に行き着きます。
その中間に位置する重要な指標が「新規の問い合わせ数」です。数字に弱い経営者に共通して見られるのは、契約数という“結果”だけを見てしまう残念な点にあります。
ビジネスにおいては「結果がすべて」と言われていますが、その結果を生み出しているのは、間違いなく「正しいプロセス」です。
プロセスなくして結果は存在しないのです。
したがって、良い結果であっても、悪い結果であっても、その背景にあるプロセスを正しく分析し、結果を生んだ原因や要因を明確に把握することが不可欠となります。
数字を論理で語る
数字に弱い経営者に質問をすると、「売上が悪い」「契約が減っている」といった抽象的な回答が返ってくることが少なくありません。
しかし、「具体的にどのように悪いのか」「前年と比べて契約数は何件減っているのか」と問いを深めると、答えに詰まってしまうことが多々あります。
地域連携を確実に成功させるためには、すべての活動と結果をデータとして収集することが求められ、それらを有効に活用する能力が不可欠です。
数字を集めるだけでは、何の意味もありません。集めた数字を眺めて、「結果が良いか悪いか」を判断するだけであれば、そもそも数字を集計する必要すらありません。
重要なのは、数字を集めた“その後”です。どのように分析し、どのように考察するかが問われます。
余談ではありますが、「考察」とは、何らかの結果に対して、自分なりの肯定的・批判的な意見を述べることであり、それは必ず論理的に語られなければなりません。
ここで一つ、介護付有料老人ホームの入居促進における、3か月間の活動結果を事例として取り上げ、私なりの分析を行ってみたいと思います。

地域連携活動の結果を分析する
これらの結果をどのように読み取り、分析するかは、読み手の経験や感覚による部分も大きいため、ここで述べる私の考察がすべて正しいわけではありません。
その点については、あらかじめご留意ください。
また、このような分析を行う際には、比較検討するための材料が不可欠であり、今回は過去の私自身の経験と実績を基に分析を進めます。
まず、訪問活動量についてですが、担当者一人で月500件の訪問を行っている点は、相当に多いと言えます。
リストの件数にもよりますが、単純計算で一日20件以上の訪問活動を行っていることになります。一見すると、活動量は十分に担保されているように見えます。
しかし、新規の問い合わせ数には月ごとのばらつきがあり、契約件数も決して多いとは言えません。
この時点で、「訪問活動量を増やせば、新規の問い合わせや契約が増える」という仮説は成立しなくなります。
次に、新規の問い合わせから見学への転換率に注目する必要があります。
9月は11件の問い合わせに対して見学が5件ですが、10月は6件の問い合わせすべてが見学につながっています。
この結果からは、見学誘致の方法が非常に有効だった可能性、あるいは問い合わせ自体が緊急度の高いケースだった可能性など、複数の要因が考えられます。
また、契約数についても、10月を除けば契約率は比較的高いことが分かります。
特に11月は、見学したすべての利用者が契約に至っています。
このことから、見学時の対応や、新規の問い合わせ段階でのアセスメント、ヒアリングが適切であり、入居意志が初めから高い利用者を適切に誘致できていた可能性が伺えます。
改善すべき点は量より質
一方で、ここで明確に改善すべき点は、訪問活動量に対して新規の問い合わせ数が少ないという点です。
過去の経験から考えると、月500件という訪問活動は、単に営業チラシをばらまいて歩いているだけの可能性が高いといえます。
地域連携の本質である「顔の見える関係」や「連携」を意識した活動とは言い難い状況です。
毎月500件という訪問活動は、体力的にも精神的にも、決して健全とは言えません。
一件一件の訪問にしっかりと時間をかけ、本当の意味で信頼関係を築く訪問へと転換することで、それぞれの数字を改善・増加させることができると考えられます。
さて、皆さんはこの実績をどのように分析されたでしょうか。
分析するための前提となる材料が十分とは言えない中でも、いくつかの仮説は立てられたのではないでしょうか。
このようにデータがあれば、さまざまな角度から仮説を立て、そこから再度、地域連携戦略を検討することが可能になります。
ぜひ、「数字を意識した」地域連携活動を、日々の実践の中に取り入れ数字の弱さを解消してほしいと思います。
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FukushiVisionGroup株式会社
医療・介護・福祉経営コンサルティング
代表取締役 塚本洋介
(社会福祉士/福祉マネジメント修士)

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