採用戦略⑤具体的な採用方法/採用力
- 7月13日
- 読了時間: 7分
はじめに
おはようございます。塚本です。
本日は、医療・介護・福祉経営の要となる「人材採用の具体的な方法」について解説いたします。
昨今、採用代行会社の広告を本当によく見かけます。
月10万円で採用し放題や、3ヵ月で100人の応募者を獲得など、嫌になるくらいですよね。
私たちも、これまで数十社の人材採用を支援してきましたが、そんなに簡単ではありません。
「このやり方をすれば採用できる」
「この媒体を使えば採用できる」
そんなことは、まずありません。
人材採用で重要なのは、求職者が選ぶための条件である表層的な「基盤」と、入社後に感じる人間関係や仕事のやりがいなどの「中核」となります。
人材採用は、採用できたことがゴールではありません。
採用した人材が機能して、組織の目標達成が重要なのです。
表面の課題に処方箋を出すのが「代行業者」。
その課題を将来を見据えて、漢方薬から劇薬までを使い分けながら進めるのが「コンサル」となります。
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人材採用の具体的な方法と考え方
1.採用予算を設定する
人材採用では、まず採用プロセスを正しく理解することが重要です。
この採用プロセスとは、人材貢献プロセスに入る前段階として、人材を確保するために必要となる具体的な“採用アクション”のことを指します。
また、一言で「採用」と言っても、その中身は非常に細かく、組織が位置する地域性や職種、業種によって、準備すべきことや実際の行動は大きく変わってきます。
ここでは、私たちが実際に取り組む際の採用手法の概要と、重要な考え方についてお伝えします。
まず、人材採用には「予算」が必要です。
予算がなければ採用活動は成り立たないため、これから投じる人材投資の規模を把握することが欠かせません。
現在、手元にある現金や今後の借入可能な金額なども含めて、採用予算を設計するとよいでしょう。
例えば、東京都内で訪問看護ステーションを経営する場合、一人当たりの看護師の人件費相場は30万〜40万円となります。
高い給与を設定することは、予算内であれば問題ありません。
しかし、小規模事業所や開業初期には、できる限りコストを抑えなければ収益化するまでの時間を稼ぐことは難しくなります。
2.給与や賞与で釣ると賞味期限がもたない
給与や賞与といった報酬は外発的動機付けです。
これは、時間が経つにつれて「慣れ」が生じ、報酬の”ありがたみ”が薄れてしまいます。
人は、より高い処遇を求め続ける傾向が強まり、結果として組織は常に処遇を引き上げ続ける必要に迫られてしまいます。
したがって、外発的動機付けに依存しすぎてはいけません。
「ここで働きたい」
「ここの仕事が好きだ」
「この会社が好きだ」
こういった帰属性を培い、持続性のある内発的動機付けによる採用と工夫が必要となります。

3.具体的な採用方法
次に採用手法です。人を採用する方法は大きく三つの媒体に分類できます。
「インターネット媒体」
「紙媒体」
「人の紹介媒体」
近年ではSNS採用も主流となっており、単にホームページや求人サイトで情報を確認するだけでなく、より生々しいリアルな情報を得られ、共感を通じて求職者とつながれるというメリットがあります。
また、デフォルトであるハローワークはかつては“人の紹介媒体”に分類され、40代以上の求職者に多く利用されてきた公的な求人媒体です。
近年ではインターネット機能との融合により、スカウトに近い「リクエスト機能」も活用できるようになりました。
都心部では利用する世代が限定的ですが、地方では依然としてハローワークが求職者と企業をつなぐ中心的媒体として機能しています。

4.リファラル採用はなぜ離職率が低いのか
人材採用は、緊急度に応じて戦略を変える必要があるとお伝えしました。
緊急度が高い場合、法令上の施設基準を満たせず、事業停止や廃業のリスクが高まるため、採用に投じるコストも増える傾向があります。
特に“人の紹介媒体”の代表である人材紹介会社は、採用時の手数料が25%以上と高額です。
企業によっては、離職時の返金制度がないうえ、紹介会社だからといって希望通りの人材を確保できるとは限らないため、利用には注意が必要です。
しかし、状況に応じては積極的に活用すべきでしょう。
もうひとつの「人の紹介手法」として、組織的に整備してほしいのが「社内紹介制度」です。
社内紹介制度は非常に重要な採用媒体のひとつで、職員が友人・知人・親族を紹介する“リファラル採用”のことを指します。
リファラル採用の強みは、1年以内の離職率が低く、勤務継続率が高い点にあります。
なぜ離職率が低いのかといえば、組織の良い点も悪い点も、誤解のないように細かく伝えたうえで、求職者が納得して入社してくるからです。
同じ紹介でも、人材紹介会社との最大の違いは「紹介者が組織の内部事情を理解しているかどうか」です。
5.離職のほとんどは入社前後の情報格差
離職理由の多くが“入社前後のギャップ”です。
そのギャップを事前に埋めて入社してもらうという点において、リファラル採用は極めて有効な手法となります。
社内紹介制度を制度化する際は、徹底した周知と適切な報酬設定が必要です。
また、紹介が成り立つ前提として、職員が組織に好意的であることが欠かせません。
そのため、現場と経営が対立していたり、人間関係が悪かったりすると社内の職員からの紹介は生まれません。
その場合は、組織の内部改善を行いながら、紹介制度の整備を並行して進める必要があります。
内部改善、つまり職場環境や人間関係の改善には、組織の歴史や個々人の関係性の積み重ねが影響します。
これを実際に行うには、相当な努力と忍耐、そして高度な組織改善スキルが求められます。
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塚本洋介
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プロフィール
FukushiVisionGroup株式会社
医療・介護・福祉経営コンサルティング
塚本洋介(社会福祉士・福祉マネジメント修士)
千葉商科大学商経学部経済学科卒業
日本社会事業大学専門職大学院福祉マネジメント研究科修了

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