リーダーの定義=能力✕人格
1.リーダーシップは支配ではなく「導く」こと
今日は「組織力」を左右する『リーダーシップ』という大きな概念について考えていきます。
まずは、ここでも語源から見ていくのがよいでしょう。
リーダーシップの語源は、英語の lead にあります。
この言葉は古英語 lǣdan に由来し、「道を示す」「導く」「連れて行く」といった意味を持っていました。
そこに「状態」や「性質」を表す接尾語 -ship が加わることで、「導くことのあり方」や「導く力」という意味が生まれています。
つまり語源的に見れば、リーダーシップとは人を支配することではなく、方向を示し、人が進みやすい道をつくる働きを指します。
この本来の意味は、現代の組織やチーム運営においても、人を強制的に動かすのではなく、共通の目的に向かって自然に動ける環境を整える力であることを示唆しています。
2.リーダーシップは誰にでもある「性質」
言い換えれば、リーダーシップとは人に帰属する「性質」です。
性質である以上、「あるかないか」ではなく、「小さいか大きいか」で捉えるべきものだと考えています。
誰もがリーダーシップという性質を持っており、それが発揮されるかどうかは、その大きさと、発揮される場面や機会によって育まれていくものです。
リーダーが道を示し、強制ではなく自然に人を動かす力を持つのだとすれば、それは自ら意図的に操作するものというよりも、本人も気づかないうちに発揮されている自然な力に近いのかもしれません。
こうした「自然に人が動く」「自然に人がついてくる」状態を実現している人こそが、社会で活躍している起業家や経営者であるとも言えるでしょう。
残念ながら、私自身にはそのような性質がまだ十分に備わっているとは言えず、だからこそ今もなお未熟な経営者であり、未熟なコンサルタントであると自覚しています。
3.リーダーの役割とリーダーシップを育むことの違い
世の中では「リーダー育成」が価値あるコンテンツとして扱われ、医療・介護・福祉業界においても、重要な研修テーマの一つとして位置づけられています。
しかし、この「リーダーシップ」という本来的に自然な性質を、一時的な研修だけで育むことは容易ではありません。
むしろ私は、人材教育・人材育成の目的が「人を育てること」そのものではなく、施設基準や加算取得のための「義務的」「強制的」な運用に偏っている現状に対して、疑問を感じています。
さらに言えば、「リーダーシップ」という性質を育むことと、「リーダー」という役割を教えることは、まったく別のものです。
リーダーシップが高い人材が、必ずしもリーダーという役割を担うわけではありません。
そこには、マネジャーや上司の力量、さらには好き嫌いといった個人的な感情が影響している場合もあります。
この点については、第4章で扱う「マネジメント」の本質とも深く関わってきます。
4.リーダーの定義=能力✕人格
組織の目標達成を軸に人を選ぶのか、それとも自己保身のために扱いやすい人材をリーダーに据えるのか。
この違いによって、「リーダー」という役割の重みは大きく変わります。
本来、リーダーは「組織→部署→チーム」という各階層に存在し、目標を見失わず、方向性や信念を保ちながら、仲間を鼓舞し、その力を引き出す存在であるべきです。
以上を踏まえ、私は「リーダー」を『能力 × 人格』と定義しています。
高い業務遂行能力を持ち、深い思考力を備え、さらに周囲から尊敬される人格を有していること―それこそが「リーダー」という役割の本質ではないでしょうか。
この定義は、一見すると理想が高く、手の届かないものに感じられるかもしれません。
しかし、この基準を頭の片隅に置き、誰もが目指し続けること、そしてその過程で成長し続けることにこそ、大きな意味があるのだと私は考えています。
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プロフィール
FukushiVisionGroup株式会社
医療・介護・福祉経営コンサルティング
塚本洋介(社会福祉士・福祉マネジメント修士)
千葉商科大学商経学部経済学科卒業
日本社会事業大学専門職大学院福祉マネジメント研究科修了
公式YouTubeチャンネル「福祉経営コンサルの豆知識」

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