タスクマネジメント
1.与えられる任務=タスク
タスクとは、すなわち「与えられた任務」を意味します。
「業務」と言い換えることもできますが、「業務」という言葉にはやや局所的・限定的な印象があるため、より広い責任範囲を含意する「任務」という表現のほうが適切かもしれません。
医療業界において進められている「医師の働き方改革」では、医師の業務を他職種へ移管・共同化することで、長時間労働や地域偏在の問題を是正し、医療の質を向上させる取り組みが行われています。
これを「タスクシフト」と呼びます。
タスクシフトは医療分野に限らず、人口減少に伴い労働力が縮小していく社会において、あらゆる業種に求められる発想です。
タスクの分配、共有、移管は、重要なマネジメント機能の一つであると言えるでしょう。
2.タスクマネジメントとは?
では、「タスクマネジメント」とは何か。タスクマネジメントとは、生産活動の維持・向上を目的として行われる管理機能です。
下位・中位・上位、あるいは役割としてマネジメントを担う者が、直接生産活動に介入するのではなく、その質を高めるために間接的に働きかけることを指します。
具体的には、「人材が役割を果たせているか」「業務を適切に遂行できているか」を確認し、問題があれば是正し、問題が起きる前に予防策を講じることが求められます。
これは現場の仕事を奪う行為ではなく、より質の高い成果を生み出すための土台を整えることです。
与えられたタスクは、大きく「内容」「品質」「時間」の三要素に分解することができます。
「内容」は、決められた業務が正確に遂行されているか。
「品質」は、その精度や完成度は適切か。
「時間」は、定められた期限内に完遂できているか。
この三要素を的確に把握し、必要な支援や修正を行うことが、管理職の基本的な役割です。
3.役割の逸脱に注意する
一般的には上司が部下を管理する構図で語られますが、本質は「成果を安定的に生み出す構造をつくること」にあります。
ここで注意すべきは、役割の範囲を越えてしまうことです。
タスクの管理を超えて、部下の人格や私生活にまで介入し始めると、それは組織が求める管理機能から逸脱してしまいます。
行き過ぎた干渉は、生産性向上とは別の問題を生み出します。
また実際には、この三要素を意識的に整理し、構造的に管理できている管理職は多くありません。
だからこそ、管理職研修の需要が高まっているのだと思います。
4.指示型・コーチ型・支援型・委任型
管理は経験や感覚だけで行うものではなく、構造として理解することが求められます。
ただし、すべての部下を同じ方法で、マニュアル的に管理することが最善とは限りません。
個々の能力や特性、成熟度を見極める必要があります。
状況に応じて、「指示型」「コーチ型」「支援型」「委任型」といったリーダーシップで論じたスタイルを使い分けることが重要になります。
将棋に例えるならば、能力や特性の異なる「駒」をどの局面で、どのように動かすかは、指し手の判断に委ねられます。
ときには厳しい決断も必要です。
しかし最終的な目的は、個々の駒を動かすことではなく、勝利という全体目標を達成することにあります。
タスクマネジメントの本質も同様です。人を管理すること自体が目的ではなく、任務を通じて成果を最大化すること。
そのために、構造を理解し、適切に判断し、間接的に生産活動を高めていくことが求められるのです。
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プロフィール
FukushiVisionGroup株式会社
医療・介護・福祉経営コンサルティング
塚本洋介(社会福祉士・福祉マネジメント修士)
千葉商科大学商経学部経済学科卒業
日本社会事業大学専門職大学院福祉マネジメント研究科修了
公式YouTubeチャンネル「福祉経営コンサルの豆知識」

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