マネジメントは十人十色
1.自己管理と他者管理
さて、「マネジメント」という曖昧で捉えにくい概念について、階層と役割の二つの視点から整理し、その本質を明らかにしています。
まずマネジメントは経営層だけのものではなく、組織のすべての階層に、それぞれの立場に応じて機能が異なるものとして存在します。
さらに、役割理論の観点からは、個々の役割を機能させるための調整や支援がマネジメントであり、自己管理と他者管理の両立が重要となります。
また「感情」は重要であり、単なる数値管理や合理性だけではなく、人間の感情を前提としたマネジメントが必要なのです。
特に医療・介護・福祉の現場では感情労働の側面が強く、感情を無視した運営は現場との乖離を生む要因になるからです。
業務では「内容・品質・時間」の三要素で捉え、成果を安定的に生み出すための構造的な管理が求められます。
加えて、人材マネジメントの視点では、配置・役割・意識を軸に組織成果が左右されること、そして内発的動機付けと外発的動機付けのバランスが重要です。
人材が機能しなくなる背景には、環境や上司の影響が大きく、組織側のマネジメント不全が人材の質を低下させる要因となるのです。
2.マネジメントは分かりづらい
「リーダーシップ」と同様に、「マネジメント」もまた非常に分かりづらい概念です。
経営者の皆さんであれば、この曖昧さを日々感じているのではないでしょうか。
特にこの二つの概念は、意味の理解において比較されやすく、しばしば混同されます。
これらを整理するためには、まず「マネジメント」そのものを理解し、そのうえでリーダーシップとの違いを考えることが有効です。
前述した「経営と運営の違い」において、私は “management” を「経営」と直訳できると説明しました。
しかし、その解釈だけでは、現場で使われる「マネジメント」という言葉と、管理職やリーダーに求められる「マネジメント」との間に、認識のズレが生じてしまいます。
3.マネジメントは十人十色
私自身も、いつの頃からか「マネジメント」という言葉を多用するようになりましたが、医療・介護・福祉業界においては、いまだ十分に浸透しているとは言えません。
現場で経営支援を行う中でも、その意味の幅広さと曖昧さを実感する場面は少なくありません。
十人十色という言葉があるように、人の個性が一様でないのと同じく、マネジメントもまた一つに統一されるものではありません。
私がここで提示するマネジメント論も、私自身の経験と価値観に基づいた一つの見解にすぎません。
したがって、それが皆さんにとって最適な答えであるとは限りません。
だからこそ、マネジメントという曖昧な概念を理解するためには、複数の理論や実践に触れ、自分なりの解釈を構築していくことが重要です。
マネジメントとリーダーシップの関係については、両者を対比させて捉える考え方もあれば、どちらかの中に内包させる考え方も存在します。
次回からは、曖昧用語の代表格とも言える「マネジメント」を、二つの視点から整理したいと思います。
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プロフィール
FukushiVisionGroup株式会社
医療・介護・福祉経営コンサルティング
塚本洋介(社会福祉士・福祉マネジメント修士)
千葉商科大学商経学部経済学科卒業
日本社会事業大学専門職大学院福祉マネジメント研究科修了
公式YouTubeチャンネル「福祉経営コンサルの豆知識」

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