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担当制からチーム制の移行




おはようございます。

医療・介護・福祉経営コンサルティング Fukushi Vision Group株式会社の塚本です。




本日は、組織体制や運営改革の一端となる訪問介護・訪問看護ステーションの『担当制からチーム制の移行』についてお話いたします。
















さて、今、ほとんどの訪問介護・看護ステーションでは、担当制ではなくチーム制を敷いているところが多いのではないでしょうか。



むしろ担当制で運営しているところは、運営の限界と行き詰まりを感じているのではないかと思います。



そこで、今日はこれから開業するステーションではなく、すでに開業している3年以上の訪問介護・訪問看護ステーションに向けて、担当制からチーム制への移行方法を解説したいと思います。





 



まず担当制の概念からお伝えします。


担当制というのは、基本的に一人の職員が一人の利用者を担当し、月あたり9割以上訪問する体制を定義したいと思います。



これは、病院等の病室担当は異なり、1日あたりではなく、利用者が生きている限り、またサービスを利用し続ける限り半永久的に担当するという意味です。




訪問看護計画書には、訪問予定者の名前が入ると思いますが、だからと言ってチーム制である言えるのかは疑問です。



書いてあるだけで、実態が伴わなければ意味がありませんよね。





そこで、まずは担当制からチーム制に移行する過程と、完成図を示す必要があります。



「うちはチーム制です!」と謳っているにも関わらず、チーム制の概念が曖昧でただ、たまに複数人で訪問すればいいと考えるなら、これは間違いから混乱を招く可能性があります。






 


1.チーム制の完成図を考える



つまりは、ゴールを描くということです。ゴールも決めずにとりあえず進もうだと、リーダーシップを発揮できるとは限りません。


訪問介護・訪問看護ステーションのリーダーは、まずゴールを描くことから始める必要があります。



きっと、ざっくりとイメージはあるものの、言語化やイメージ化ができないために、とりあえず進めている事業所においては限界と行き詰まりを感じていると思います。




もし私なら、実際に運用したときに修正や改善は必要という事が前提としつつ、次のように完成図を言語化します。





【完成図の言語化と数値化】


①チームの人数は3人とする。

②職種は看護職2名、リハビリ職1名とする。

③主担当1名を看護職とし、残りは副担当とする。

④主担当は1利用者あたり、月の訪問率は6割とし、副担当は2割ずつとする。

⑤利用者会議を3ヵ月に1回30分開催し、会議議事録としてまとめ上長に報告する。

⑥逐一の情報は対面または専用の連絡ツールで漏れなく共有する。

⑦副担当は、副担当の挨拶として初月に利用者へ手紙を送る。



【補足として】

例えば・・・・

1利用者の訪問回数が週3回、月12回だとしましょう。

すると、主担当は月7回の訪問、副担当それぞれ2回と3回の訪問になります。



また・・・

利用者人数が1ステーションあたり50人、スタッフが6人だとしましょう。

するとチームは2つできますよね。


1チーム(3人)あたり25人の受け持ちとし、25人×月12回=月300回の訪問となります。

これを3人に振り分けると・・・


Aさん:9人(108回)

Bさん:8人(96回)

Cさん:8人(96回)


Aさん9人の主担当はAさんであり、副担当はBさん、Cさんです。

これは主担当がBさん、Cさんでも同じです。



それぞれの割は先ほどの6:2:2で算出してみます。



Aさんの利用者

9人/月108回訪問

108回×60%=65回を主担当のAさん、残り43回をBさん22回、Cさん21回で振り分けます。


Bさんの利用者

8人/96回訪問

96回×60%=58回を主担当のBさん、残り38回をAさん19回、Cさん19回で振り分けます。


Cさんの利用者はBさんと同じ計算方法です。



そして、それぞれの担当者の主担当、副担当の訪問回数を計算すると次のようになります。


担当者 │主担当回数 │副担当回数 │月訪問合計

Aさん    65回     38回     103回

Bさん    58回     31回      89回

Cさん   58回     30回      88回




いかがでしょうか。



実際に訪問している皆さんからすれば、現実的ではない要素もあるので疑問に思うところもあるかもしれませんが、概算でチーム制移行の議論のたたき台としてならば、活用できると思います。





 




私が様々な組織を支援して思うのは、いろいろな事を実施する前から諦めてしまうことです。



この数値も概算ではありますが、やってみれば見えてくることもあるのです。


厳しい言い方ですが・・・

始める前から諦めてしまい、考えることもしない組織とそこで働く人間に、利用者支援や仕事を語る資格などありません。




チーム制で運用することは、人材不足や働き方改革に大きな影響を与えます。

人がいないのに、利用者は増えるわけですから効率的かつ生産的に運営しなければ、会社経営など到底できません。



見切り発車は大事ですが、そのためには今のような概算やイメージを即座に作成することが重要なのです。






曖昧と抽象的な仕事は、成果を生むことはできませんので、訪問介護・訪問看護のリーダーはしっかりと言語化、具体化することを勉強してください。



学びは尽きませんね。





それでは。


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FukushiVisionGroup株式会社 医療・介護・福祉経営コンサルティング


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