おはようございます。
Fukushi Vision Group株式会社 医療・介護・福祉経営コンサルティングの塚本です。
本日は、組織を円滑にするための『役割分担』の重要性についてお話いたします。
実は、これまで医療・介護・福祉の数ある組織をご支援してきましたが、はっきりと自分の役割はこれです!と公言できる人とは、会った記憶がありません。
組織の創業者ですら、誰がどんな仕事を担っているのか理解できていないことがほとんどでした。
もちろん、創業者がすべて知っていなければいけない、というわけではありませんが、組織の中で一人でもいいので、すべての事情や誰が何を担っているか分かるようになっていれば、これほどスムーズにいく組織はありません。
組織内で働く人の役割が理解できているということは、つまり”パズルのピースと量と形”を把握しているということなので、あとは全体のフレームを見ながら当てはめるだけの試行錯誤と作業になります。
ひとつ、例に出してみましょう。
以前、20人規模の職員がいる障害者グループホームを支援していました。
そこでは、常に人が退職する状況であり、かつ利用者の入れ替えも激しい施設でした。
代表は投資家であり、様々な事業に投資しており、障害者グループホームもそのうちの一つでした。
すでに4棟建設している段階ですが、施設運営をすべて管理者兼サビ管に丸投げしていたことから、管理者はやるべき仕事を怠り、離職はどんどん進み、管理者一人の帝国化していたのです。
その結果、入居促進もできず、人材は採用できず、さらには施設の評判も落ちてしまい、施設基準を下回る人員配置になり、サビ管としてやるべき計画書も作成せず、施設は半壊していました。
障害者グループホームが半壊した主な原因に「役割分担」があります。
役割分担とは、つまりマネジメントの中のひとつのカテゴリとなります。
投資家である代表が、組織構造としての人材マネジメントを怠った結果、管理者兼サビ管を”なんでも屋”と誤解し、さらにすべての業務を丸投げした結果、セルフマネジメントができない管理者のキャパがあふれ、暴走に走ったのです。
この例から見てもわかる通り、組織の中で役割を定めることがどれだけ難しいか実感できます。
人材育成とマネジメントに関わる部分ですが、マネジメントという大きな概念のピラミッドの最下層には、組織のルールが配置され、その次に役割の認識があります。
段々と上に上がっていきますが、次に役割の意識があり、次に行動となります。
行動が自主的に変わるので上から2番目は自主性になり、最上部には目標達成となります。
目標達成は個々の目標達成です。
この最下層から目標達成までのプロセスを総合して『マネジメント』と言ってもいいかもしれません。そして最下層から自主性までのプロセスを『人材育成』と言えそうです。
組織とは、役割をもった人々の集合体ですから役割を100%担うことが前提とされています。また若い組織であれば、役割も常に変化しますから、組織には説明責任が、職員には柔軟性が求められます。
役割がはっきりしていると、職員も動きやすいのですが、曖昧だとスケジュールを立てる事すら難しくなってしまいます。
ですから、まずは個々の役割をはっきりさせ、可視化し定着させることが第一優先となるのです。
それができて、初めて組織が円滑に動き始めるのです。
それでは。
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